山の妖怪
怖さ:0
和歌山と奈良の県境にある果無山脈、安堵山の麓、兵生という村に生まれ、松若と名づけられた子は、生まれてすぐ歯が生えそろい、黒髪が肩まで伸びていた。人より成長が早く、食べる量もハンパない。このままでは家族に迷惑がかかると、10歳になるころには山にこもって帰らなくなった。数年後、盗賊が村を荒らし回った。山で鬼のように大きくなった松若は、村人が困っていると知るや疾風のごとく村に下り、盗賊を次々となぎ倒した。その後、松若を見た者はいないが、今も冬は山から松若の「うおお~」という声が聞こえるという。
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妖怪をこよなく愛する和歌山市の漫画家、マエオカテツヤさんが毎週土曜日、妖しの世界に誘います。
(ニュース和歌山/2017年7月22日更新)