妊婦のおなかに安産や赤ちゃんの健やかな成長を願って絵を描くマタニティペイントを3年前から手がける紀の川市の尾﨑共(とも)さんが30日(木)まで、和歌山市祢宜のマニエールでデザインイラスト展を開いている。過去の作品をパステル画にした15点を展示。「赤ちゃんの幸せを祈るお母さんたちの願いがこめられた作品ばかり。優しい気持ちになってもらえれば」とほほ笑む。
雑誌やテレビなどで取り上げられ、注目されるマタニティペイント。妊娠6ヵ月以上の大きくふくらんだおなかに、妊婦の希望に応じたイラストを描く。身体に影響のない専用絵の具で、シャワーで簡単に落とせる。
小さいころから絵が好きだった尾﨑さん。独学でパステル画をメーンに作品を生み出し、現在は主婦をしながら、ほおや腕に絵を施すボディペイントをイベントで披露するほか、子ども向けのアート体験会を開く。
自身も出産経験があり、家族が幸せな気持ちになって、妊娠の記念にもなるマタニティペイントを知り、3年前から妊婦宅へ出向く。これまで約30人の妊婦のリクエストにこたえた。海のそばで暮らす女性には夕日を背に飛び跳ねるイルカの家族、初めての子を待ち望む若い母親にはおなかの中で眠る赤ちゃんを両親の手で抱える絵…。週数や「ウェルカム」の文字を添え、胎児にメッセージを送る人も多い。
個展には、赤ちゃんや動物、虹、風船、花などを優しいタッチで描いたイラストが並ぶ。「男性、子ども、ストレスや出産への不安を抱える妊婦さんに来てもらいたい」
午前9時~午後7時。マニエール(073・477・3155)。
(2016年6月11日号掲載)