県は高校生に介護の仕事を紹介する冊子『GoGo介護』を作成し、県内の高160622_kaigo校や図書館などに配布した。前半にマエオカテツヤさんの漫画「ばあちゃんの生きがいとぼくらのやりがい」を掲載し、介護の仕事を解説。県長寿社会課は「2025年に県内で介護人材が4200人不足すると推計しています。高校生に介護の仕事に興味を持ってもらい、人材確保につなげたい」と考えている。

 高校生の意識調査で、介護職について「人の役に立つ」ととらえると同時に、「体力的、精神的にきつい」と考える人が6割。同課は「積極的に介護職に就きたい人は3%。選択肢の1つと考える人が10%」と説明する。県内では、有田中央高や伊都中央高などが介護職員初任者研修コースを設ける。一方、介護職に就く人は伸び悩み、25年度には2万5200人の需要に対し、供給は2万1000人の見込みだ。

 冊子は11年、13年に作成し、今回が3冊目。以前は、介護従事者インタビューや資格を説明する8㌻だったが、反響が思わしくなく、漫画で興味を引こうと考えた。老人ホームにいる祖母を友人と一緒に訪ねたサトシが、入居者から話を聞き、介護職の現場に触れることで成長する過程を描いた。

 執筆したマエオカさんは、ニュース和歌山で「マエオカテツヤの妖怪大図鑑」を担当する漫画家。自らは祖父母によく面倒を見てもらったことで、高齢者への感謝の念が強く、「介護では、高齢者は元気に生き、介護者はやりがいがあることが大切」と話す。

 A4判、24㌻。無料。県社会福祉協議会(073・435・5211)で配布し、HPでも公開している。

(2016年6月22日号掲載)