岩出市長選が9月25日(日)告示、160924_nakashiba10月160924_owa2日(日)投開票される。出馬は、6選を目指す現職の中芝正幸氏(73)と市議の尾和弘一氏(69)の見込み。人口増を続けてきた市は近年、増加率に陰りがみられる。平均年齢は県内で最も低いが、他市町村と同様、高齢化を見越した舵取りが課題。中芝氏の市長在任20年間で取り組んだ実績に、尾和氏がどう出るか。争点を整理した。

 市はかつての田園地帯から都市化が進んだ。市内の道路は近年、泉佐野岩出線拡幅や京奈和自動車道延伸と急速に充実。来年には京奈和道が和歌山市につながる予定で、利便性向上に期待が高まる。一方、開発が制限される市街化調整区域がないため、田畑を宅地化するのは比較的容易で、虫食い的な開発が進んでいるのが実態だ。

○道路と重要課題

 市は、岩出を関西空港からの玄関口と考え、一乗閣やねごろ歴史資料館など一帯を「ねごろ歴史の丘」とし、泉南や紀の川市と広域観光ネットワーク化に積極的。また、生活道路の環状化を主要施策として進める。

 一方、尾和氏は、幹線道路の整備は進んだが、虫食い的開発の結果、行き止まりや急に狭くなる道路が各地にあると指摘。昔ながらの地区は歩道がないところが多く、南北を貫く道路整備の遅れが目立つため、あと1、2本は必要と話す。

○宅地化による保水力

 尾和氏は、水がつきやすかった地区が宅地化で保水力がさらに低下し、あふれてからの対策は後手とする。市は、「浸水被害は近年増えたゲリラ豪雨の影響」とし、県と協力し川の拡幅、しゅんせつで安全対策を図る。

○災害に対する姿勢

 市は、総務課に危機管理係を置き、防災マニュアルに基づき全庁体制で取り組み、既に55の自主防災組織を整備した。これに関し尾和氏は、県内市町村で危機管理担当が課として独立していないのは岩出だけで、さらなる体制整備を求める。

○県内1、2位の大規模2中学対策

 尾和氏は、人口の多い西部地区に中学校を設け、1校450人ほどにと訴える。数年後に生徒数が減少することから、市は中学校の新設は考えていないと明言。

○医療体制

 市は公立那賀病院を含め紀の川市と共に対応し、産科など医師確保は県と連携して進めてきた。一方、尾和氏は子どもを持つ親の負担軽減に向け、中学卒業まで通院も含めた医療費の無料化を提案する。

(2016年9月24日号掲載)