近畿学生野球連盟1部リーグで初優勝を飾った和歌山大学硬式野球部が、6月5日(月)から東京の神宮球場ほかで開かれる全日本大学野球選手権大会に初めて出場する。15シーズン連続優勝の強豪、奈良学園大学を直接対決で下し、創部から93年でつかみ取った栄冠。全日本選手権を前に、大原弘監督は「全国でもこれまで徹底してきた〝考える野球〟をする」と気を引き締めている。
昨年のリーグ戦は春3位、秋2位と力を付けてきた和大は今春、優勝を掲げた。6大学総当たりで、同じチームに2勝すれば勝ち点1を得られる。4大学と対戦を終え、勝ち点3で並んだ奈良学園が最後の相手。勝ち点を挙げた方が優勝だ。
守備からリズムをつくり、攻撃につなげるのが和大の持ち味。5月14日、奈良学園との初戦は2年の貴志弘顕投手から3年の野山純一投手につないだ。貴志投手は死球を恐れずインコースを突き、変化球で空振りを誘う丁寧なピッチング、野山投手はバックを信じて打たせて取るスタイルで、6―3の快勝。17日の第2戦も2人の粘り強い投球とバックの好守備で流れを引き寄せると、4―0で完封した。
2年秋からキャプテンを務める4年の眞鍋雄己捕手は「1つのプレーの意味を、当事者だけでなくチーム全体で共有してきました。勝つために1人ひとりすべきことができた」と勝因を分析する。
野球部は、前身の和歌山高等商業学校時代の1924年創部で、50年に連盟加入。大原監督が就任した2008年は3部だったが、「考える野球」を浸透させ、12年から1部に定着する。
野球観が似る眞鍋捕手に2年からキャプテンを託した大原監督は「目指す野球が形になってきた」と評価し、「全国大会で対戦する相手はどこも投手のレベルが非常に高い。打てなくても勝つ自分たちの野球をしよう」と選手に呼びかける。眞鍋捕手は「全国に向け、基礎を再確認しました。最後までプライドを持って取り組む」と意気込んでいる。
和大は7日(水)午前9時、岡山商科大学と神宮球場で戦う。
写真=優勝を決め、マウンドに駆け寄る和大ナイン
(ニュース和歌山より。2017年6月3日更新)