食欲の秋を迎え、海南市の眠れる食材で地元を盛り上げる「鱧(はも)の街・菓子の街 海南プロジェクト」の取り組みが活発だ。来春予定するお菓子まつりのプレイベントを11月6日(日)に同市大野中のわんぱく公園で開催。また、秋の鱧を飲食店で味わえるスタンプラリーを15日(火)まで行っている。
地元であまり知られていない食材とその歴史を掘り起こし、後世へ伝えようと飲食店経営者や市観光協会、住民らで昨年4月に結成した同プロジェクト。菓子と鱧の2グループがある。
菓子グループは来年4月2日(日)、菓子の神様、田道間守(たじまもり)をまつる同市下津町橘本の橘本神社へ全国から菓子業者が銘菓奉納に訪れる菓子祭に合わせ、「お菓子まつり」を開く予定で、11月6日はそのプレイベント。田道間守が中国から持ち帰った橘の実が菓子のルーツとなった伝説を読み聞かせするほか、イラストをクッキーに描くワークショップがある。同市の菓子店やカフェはパンや焼き菓子を販売。大お菓子まき大会も。午前11時〜午後3時半。メンバーの野田智也さん(写真)は「なぜ海南に菓子のルーツがあるのかを地元の人に知ってもらう機会にしたい」と張り切っている。
一方、鱧グループは京都の料亭で重宝される鱧が下津町の戸坂漁港で水揚げされるのにちなみ、創作料理の開発に力を注ぐ。7月には鱧フェスタを海南駅前で行い、3000人でにぎわった。
開催中のスタンプラリーは、秋の産卵後に脂がのった名残鱧の味を広めようと企画。ハモカツや鱧入りたこ焼き、ハモ天丼などの11店中、3店以上を11月15日までに巡ると、食事券が当たる抽選に参加できる。鱧の巻き寿司やこけらずしを提供する同町丸田のひさごは「秋の鱧は甘みがあってさっぱりした味が特徴です」とPRする。
スタンプラリーの用紙は海南駅内海南市物産観光センター、参加店舗ほかで配布。同プロジェクト(073・492・4300)。
(ニュース和歌山2016年10月22日号)