18番目の染色体異常である「18トリソミー」を持ちながら頑張って生きる子どもたちの姿を伝える「18トリソミーの子ども達写真展」が6月20日(土)、6月21日(日)、和歌山市小松原通の日本赤十字社和歌山医療センター1階で開かれる。家族でつくるTeam18の主催で、「子どもたちの存在のかけがえのなさにふれてほしい」と話している。
18トリソミーは、22番目まである常染色体の18番目が本来2本で構成されているところが3本あることで様々な合併症を併発する。現在の医学では治療が難しく、生まれて1年間の生存率が約10%と言われていたが、近年は29%にまで上昇している。
Team18関西エリア代表で、和歌山市の三輪雅子さんは2012年9月に三女の杏果(きょうか)ちゃんを出産。生後1ヵ月で18トリソミーと判明した。同じ病気と向き合う親とインターネットのブログを通じて交流し、闘病生活の支えにした。杏果ちゃんは内臓に重い疾患があったため気管切開し、チューブで栄養をとり、1歳の誕生日を家族で迎えた。しかし、昨年の元日、1歳4ヵ月で亡くなった。
「子どものために何かしたい」。寂しさが消えず、模索する中、三輪さんは、18トリソミーの子どもたちの姿を伝えるため全国を巡回するTeam18の写真展に協力を始めた。大阪、和歌山の開催を運営し、子どもたち、親同士がふれあえる場づくりを目指す。三輪さんは「直接会って言葉を交わすと癒やされます」。
写真展では、病と向き合う子どもたちの姿を家族が撮影した作品を展示。全国152人の子どもたちの表情、家族とふれあう様子からは生きることのかけがえのなさが伝わる。
また、和歌山信愛高校の生徒がお楽しみコーナーを設け、折り紙や紙芝居、簡単なゲームなどを来場者に楽しんでもらうほか、2020年の東京パラリンピック開会式で会場を彩るアート作品に手形をつけて参加するハンドスタンプアートプロジェクトも行う。両日午後2時から、滋賀県立小児保健医療センターの医師、熊田知浩さんを招いた座談会(予約制、定員15人)を開く。
三輪さんは「病気のため、あまり外に出る機会の少ない方にも遊びに来てほしい。病気によって『かわいそう』だととらえられやすい子どもたちですが、家族に見守られ頑張っている。子どもたちの姿を見て、何かを感じてほしいです」と語る。
午前11時15分〜午後4時半(21日は5時)。座談会への参加予約は三輪さん(team18kansai@yahoo.co.jp)。
写真 この記事の下=他県での写真展の様子
(ニュース和歌山2015年6月6日号掲載)