危険運転で繰り返し摘発された自転車の運転者に講習を義務づける改正道路交通法が6月1日、施行された。14項目の危険行為を定め、14歳以上を対象に取り締まる。県警交通企画課は「運転免許をもたない若い世代には交通ルールが浸透していない。保護者は自転車を車両の1つだと認識し、マナーや危険性も伝えてほしい」と訴える。
和歌山県内の自転車事故は2010年の953件から昨年は509件と減少を続けているが、毎年5人前後が命を落としている。出会い頭が4割、右左折時が2割と交差点での事故が6割に上り、原因のトップは安全不確認。全国的にも事故に関係した自転車の運転者の6割に法令違反があり、講習制度が設けられた。
新制度は、信号無視や一時不停止、酒酔い運転、ブレーキ不良自転車運転などを危険行為に規定。傘差し運転や携帯電話を使いながらの運転も、安全運転義務違反として摘発の対象となる。3年以内に2回摘発されると手数料5700円を払って3時間の講習を受けなければならず、命令に反した場合は5万円以下の罰金が科される。
6月1日には海南市大野中の海南高校で海南署員が登校する生徒に啓発チラシを配布。2年の大西里咲さんは「自転車が走っても良い歩道で2、3列になって走る場面を見たことがあり、歩行者に危ないと感じました。新ルールでそういう運転が少なくなると良いですね」。
島泰弘署長は「自転車が被害者になりがちな交通事故でも、1つ間違えれば加害者になる。乗り方のくせが、免許を取ったときの運転に影響を与えるので、今のうちに交通ルールを身につけてほしい」と呼びかけていた。
写真=海南署員の説明を受ける高校生たち
(ニュース和歌山2015年6月6日号掲載)