《回答者》
◆総合診療科・外科
貴志川リハビリテーション病院
西村 和彦院長

　熱中症は、気温や湿度が高い環境下で体温調整がうまくいかず、汗をたくさんかくことで体内の水分や塩分のバランスが崩れて発症します。主な初期症状は、めまい、だるさ、頭痛、立ちくらみ、大量の発汗、筋肉痛、こむら返り、吐き気、嘔吐などです。意識がもうろうとしている場合は重症ですので、救急病院を受診してください。

　乳幼児や高齢者は体温調節機能が低く、暑さを自覚しにくいため、熱中症になりがちです。運動習慣のない人、暑さに慣れていない人、太っている人、体調の良くない人も要注意です。

　熱中症の予防には「暑さを避けること」が最も重要です。屋外でも室内でも温度や湿度に気をつけます。もちろん、水分や塩分の補給も欠かせません。ただ、カフェインを含むコーヒーや緑茶、ビールなどのアルコール飲料は利尿作用があり、かえって脱水状態になります。

　また、栄養バランスに配慮した食事も大切です。クエン酸を含むレモンや梅干しなどを食べたり、糖質を効率よくエネルギーに変えるときに役立つビタミンＢ１（豚肉や豆類に豊富）を補給したりを心がけましょう。毎日きちんと朝食をとり、熱中症になりにくい体づくりに取り組んでください。

（ニュース和歌山／2023年7月22日更新）