《回答者》
◆循環器内科
みなかたクリニック
南方  常夫院長

 暑い日が続いています。ご相談者様は家の中にいて、冷房を入れていなかったとのこと。新型コロナでも同様の症状がありますが、熱中症が考えられます。熱中症とは、高温多湿な環境によって体内の熱の産生と放出のバランスが崩れ、体温が上昇し、健康が障害された状態を指します。体がまだ暑さに順応していない、梅雨明けの晴天時などによく起こります。

 新型コロナの患者さんは熱中症になると重症化することがあるので、喉が痛くて食事ができない、水もあまり飲めないなどの症状があれば要注意です。熱中症患者のおよそ半数以上は65歳以上の高齢者で、暑さや水分不足に対する感覚機能や体温の調整機能が低下していることに加え、暑くても冷房の使用を避ける傾向があるため、室内でも注意が必要です。症状は、頭痛、嘔吐(おうと)、倦怠感や虚脱感、筋肉痛、発汗、口渇などです。重症になると意識障害、けいれん、せん妄などが現れ、緊急治療となります。

 熱中症になったら水分と塩分を補給し、衣服をゆるめて体を冷やし、安静にします。ただし新型コロナで自宅療養中の場合、発熱が熱中症なのか、新型コロナによるものなのか見極めが重要です。緊急事態であれば、すぐ救急車を呼んで下さい。

(ニュース和歌山/2023年7月23日更新)