《回答者》
◆歯 科
しが歯科医院
日本糖尿病協会 登録歯科医
志賀 弘明院長
日本糖尿病協会が発行する糖尿病連携手帳は、糖尿病の治療連携をスムーズに行うために、地域の医療機関や保険調剤薬局等で配布、活用しています。
手帳の目的は、医科歯科双方で糖尿病および歯周病のリスクチェックを行い、未治療、治療中断、治療不十分の患者さんの治療を促すことです。 歯科で「糖尿病リスクとしての歯周病健康度評価」を、医科で「糖尿病の病状評価」を定期的に記入することで、医師、歯科医師、患者の3者で、それぞれの病状の把握に活用でき、歯周病と糖尿病の関係について、患者さんがイメージしやすくなります。
歯周病を改善することで、HbA1cが0.4%改善されるとの報告があります。 したがって重度の歯周病を併発している場合、糖尿病管理の一環として歯周病を治療し、改善させることが大切です。
国の方針で行われている節目年齢の歯周病検診は、和歌山市の昨年度の受診率は3.1%と低い割合です。因みに全国的には5%で、最高は香川県の14%でした。まだまだ歯周病に対する関心が低いのが現状ですが、近く「国民皆歯科健診」制度の導入が予定されています。口腔の健康を守ることで、健康寿命の延伸が期待されます。
(ニュース和歌山/2023年8月26日更新)