落語団体わかやま楽落会に所属する宮北小学校1年の松本あさひくんが7月に、兄で同小3年の滉正くんが8月に、それぞれの落語大会で入賞した。のりのり亭おにぎりを名乗るあさひくんは「お兄ちゃんに勝ちたい。一番身近なライバル」、おむすびを名乗る滉正くんは「優勝するのもいいけど、その日出演するだれよりもウケたい」と真剣な眼差しだった。

 同会メンバーの祖父から影響を受け、2年前に落語をスタート。滉正くんがあさひくんにダメ出ししたり、あさひくんは滉正くんの話し方を学んだりと、毎日のように互いに見せあって腕を磨いてきた。

 あさひくんは7月22、23日、宮崎のひむかの国こども落語全国大会に出場し、古典落語『初天神』を披露。自分で考えたギャグを交え、豊かな表情で笑いを取り、最優秀の2人に次ぐ優秀賞に輝いた。高校生まで出場する中、小1での受賞は13回を数える同大会で2人目の快挙となった。

 一方、兄の滉正くんは8月27日、大阪くらしの今昔館こども落語大会で古典落語『つる』を実演し、3位に。元気いっぱいの語り口が評価された。入賞記念として10月8日に大阪市の天満天神繁昌亭に出演する。

 指導する笑福亭呂好(ろこう)さんは「プロの真似ではなく、自分たちらしい、型にはまらない落語が2人の持ち味。可愛らしさがしっかり出ていて、登場するだけで高座が明るくなる」と目を細めていた。

写真=入賞を喜ぶ松本滉正くん㊤と弟のあさひくん

(ニュース和歌山/2023年9月16日更新)