7月、南海和歌山市駅北側にオープンした鳴海ラーメン。中国・大連出身の張燕鳴さん(43)が作るしょう油豚骨ラーメンは、澄んだスープと、トッピングには珍しい目玉焼きが特徴です。「日本人の舌に合う味を2ヵ月かけて考えました。野菜もたっぷりでスタミナ満点です」。こん身の一杯、ご賞味あれ。

目玉は〝目玉焼き〟

──意外なトッピングですね。

 「〝目玉〟になる特徴的なものを入れたいと悩んでいた時、息子の好きな目玉焼きを添えてみました。見た目のインパクトもありますが、とろりとした黄身が、めんやスープと相性が良かったので決めました」

──お客さんの反応は?

 「驚く人が多いですが、『想像以上に合う』と、特に家族連れに好評です。3時間かけて作る豚バラチャーシューも人気です。市駅が近く、遅くまで働いた人らが立ち寄れるよう、深夜2時まで営業しています」

──こだわりは?

 「中国では鶏でだしをとりますが、うちの豚骨ラーメンは日本人に合うよう豚足も使います。豚骨だけよりスッキリと、でも濃厚な味わいです。6時間ほど煮込み、中国のスパイスを混ぜたしょう油、すりおろしニンニクを合わせます。初めはあっさりですが、すぐ後にガツンとニンニクのパンチが効いてきます」

──料理はいつから?

 「18歳から修業のため、大連の中華料理店で働きました。21歳で東京の日本語学校に留学。卒業後、栄養学の専門学校に通いました。留学中は池袋の上海料理店で腕を磨き、25歳で帰国後、ラーメン店に勤務、いちから作り方を教わりました。15年働いた後、41歳の時に大連で『万世橋焼鳥居酒屋』という日本の焼き鳥屋風居酒屋を始めました」

 

夢は本格中華提供

壁にはアニメのポスターが

──店内にはアニメのポスターがびっしり貼られています。

 「テレビアニメ『スラムダンク』で、日本に興味を持ちました。留学を終え帰国してもやっぱり日本が好きで、いつか店を出したいと思っていました」

──目標がひとつ達成できました。

 「はい。大連の店は従業員に任せ、去年6月、知人が住む和歌山に来て、出店準備に取りかかりました。特に和歌山の海が好きなので、店名には自分の名前にある『鳴』と、『海』の文字を入れました」

──今後は?

 「中国で出している日本の焼き鳥をこの店でも提供したい。また、もっと本格的な中華料理をメニューに加え、いつも優しく接してくれる日本のみなさんに、本場の味を食べてもらいたいです」

 

 

【鳴海ラーメン】

和歌山市石橋丁9-8
営業時間 11:00~翌2:00
※平日は15:00~17:00休憩
電話 073・499・5884

 

 

(ニュース和歌山/2023年9月23日更新)