空き家の利活用を提案する和歌山市十二番丁の一般社団法人「ミチル空間プロジェクト」が5月、国土交通省の空き家管理等基盤強化推進事業の実施機関に、和歌山県内で初めて選ばれた。地域での適正な空き家管理を促す事業で、「空き家相談センターわかやま」を8月下旬に設ける。南順子理事長は「賃貸や売買、荷物整理など空き家全般の悩みに対応します。家主さんに、解体だけでなく、有効活用できる方法をアドバイスしたい」と話している。
同法人は、シェアハウスやリノベーションできる賃貸マンションなどこだわりの物件を紹介する不動産会社の経営者、南さんが中心となり3月に立ち上げた。メンバーは建築士や不動産オーナーら5人で、県内の空き家を掘り起こし、管理と利活用を提案することで、まちづくりにつなげるのが目的。
相談センターは、自治体と連携し、月1、2回の無料相談会を開く。所有者から悩みを聞き、内容によっては建物の簡易調査を実施。状況に応じて司法書士ら専門家や荷物整理業者、解体業者らへつなげる。
6月18日(木)には、相談員を養成するための説明会を同市福町の和歌山大学まちづくりプロジェクト室で開催。南さんが事業概要、メンバーで和歌山大学システム工学部の小川宏樹准教授が県内の空き家の現状を説明するほか、奈良県で同事業に選ばれた「空き家コンシェルジュ」の有江正太代表理事が話す。
南さんは「相談員はボランティアなので、空き家問題解消へ志のある方に協力してほしいです。県内の空き家情報をまとめ、県外や海外にも発信して和歌山に定住者を増やしていければ」と描いている。
詳細は「ミチル空間プロジェクト」フェイスブック。説明会は午後7時からで先着40人。希望者は前日までにメール(michiru.space@gmail.com)。
写真=「有効活用をアドバイスしたい」と語る南理事長
(ニュース和歌山2015年6月13日号掲載)