子ども達の笑顔はじける
駄菓子店「はよ、かえり屋」を営む和歌山市寺内の藤井美佳さんが３月17日、能登半島地震で被災した石川県七尾市にある浄泉寺の祭りに出店した。地域に駄菓子店がなく、うまい棒やチョコバットの他、スーパーボールすくいにも子どもたちは大興奮。藤井さんは「またお店を出してほしいとたくさんの声をいただきました」と喜ぶ。
笑顔で会計する藤井さん（中）
金沢市出身の藤井さんは親せきが同寺の住職。子ども向け祭りの計画を聞き、「被災地に何かできないかとずっとモヤモヤしていた」と出店を申し出た。
実家は大きな被害がなかったが、七尾市に足を踏み入れると町の様子が一変。「崩れた家やひっくり返った車がたくさん。違う世界のようでした」と爪あとを実感した。
「共に前へ！ こども縁日」と題した祭りは、地元商店街の「おかみさん会」が街を元気づけようと開催。11店がすし、ラーメンなどを販売する中、70種類以上の駄菓子を並べると、子どもが「これおばあちゃんにあげよう」と話したり、「今はこんなお菓子があるんだ」と大人も手にとったりして、笑顔で楽しんだ。
崩れた建物が点在（藤井さん提供）
実際に現地を訪れたことで、まだ避難所生活をしている人が多く、大変な状況を目の当たりにした。そんな中でも「わざわざ和歌山から来てくれたんですよね、ありがとう」と声をかけてもらい、「涙が出そうになりました。５月にも祭りがあるので、また持って行きます」と、ふるさとを思う気持ちが強まった。
（ニュース和歌山／2024年3月30日更新）
