《回答者》
◆総合診療科・外科
貴志川リハビリテーション病院
西村 和彦院長

 「むくみ」とは、医学的には「浮腫」と呼ばれ、血管内から周囲の皮下組織に水分が漏れ出して腫れた状態で、指で押すと痕が残ります。

 全身、片側下肢、両下肢、手や指だけなど、むくみが出る場所によって様々な原因が考えられます。いずれの場合も、的確な診断に基づいた治療を早めに受けることが肝心です。

 むくみに突然の胸痛や呼吸困難などを伴う時は、心不全や呼吸不全など重篤な病気が潜んでいる場合があり、救急外来や循環器・呼吸器内科の受診をすすめます。また、ケガを伴うなら、感染症から敗血症合併も考慮し、救急外来や外科、整形外科を受診して下さい。

 一方、日常生活にも、むくみを引き起こす要因があります。

 水分や塩分、アルコール飲料の摂り過ぎのほか、運動不足、立ち仕事、同じ姿勢をとり続ける車や飛行機での長距離移動でも、むくみが生じることがあります。車などの狭い座席に長時間座っていると、血行不良によって血液が固まりやすくなる、いわゆるエコノミークラス症候群に注意が必要です。血栓防止のため、こまめに水分を摂取すると同時に、足にできた血栓が肺や心臓・脳の血管で詰まらないよう、下肢を意識して動かすと良いでしょう。

(ニュース和歌山/2024年5月25日更新)