「『店名はなんて読むの?』とよく聞かれます」と話すのは、昨年10月から和歌山市新和歌浦で〇〇.(まるまるてん)食堂を営む加茂あいさん(40)。大阪出身。サーフィンが趣味で和歌山に移住して15年以上経ちます。「コンセプトは〝普通の定食屋〟。派手なメニューはありませんが、口に入れるとホッとするような〝実家で食べるご飯の味〟を心掛けています」と笑顔で話します。
家庭の味提供
──どうして〝普通の定食屋〟をしようと?
「地元の人が昼にふらっと気軽に立ち寄れる、リーズナブルな店にしたいと、家庭料理にこだわりました。生姜焼きや野菜炒め、から揚げ、焼きうどんなど、だれもが親しめるメニューをそろえました」
──おすすめは?
「旨辛ホルモンです。みそをベースに、豆板醤やハチミツなどをブレンドした自家製のタレで味付けしています。甘辛い味とホルモンの脂身がご飯と相性抜群です。特に定食はメーンのおかずと小鉢が2つ、みそ汁もついています。みなさんお腹いっぱいになって帰ってもらっています」
──金曜と土曜だけ夜も営業しています。
「夜は定食のおかずのほか、だし巻きや、日替わりでパスタやサラダを出しています。昼はのんびりご飯を食べて、夜は酒の肴とお客さん同士のおしゃべりで盛り上がる。2つの顔を持っています。初めてのお客さんにもドンドン話しかけるので、すぐ仲良くなりますよ」
ご飯で恩返し
──特徴的な店名です。
「2017年から昨年まで、元寺町でたこ焼き・鉄板バルを営業していて、その名前が『en(縁)』でした。今回店を構えるのが2度目。バル開店時からの『縁をつなぐ店にしたい』という気持ちを食堂に引き継ぎ、『〇(円)』を二つ並べ、さらに、『これが最後の店』との意思表示に『.(ピリオド)』を足しました」
──「最後の店」とは?
「自分で商売するのをいったん辞めようと考えていました。夜働くのが大変なのと、21歳の時に大阪でもたこ焼屋の店長を経験しましたが、本当はたこを触るのが苦手だったんです。体力的にも、ここが私の〝最後の店〟だと思っています」
──なぜ新たに食堂を?
「バルのお客さんに『和歌浦で店をやらないか』と声をかけてもらいました。以前から『50歳になったら、小さな食堂でも開きたいな』と考えていて、その時期が早まった気持ち。『これも何かの縁かも』と心機一転、開店を決めました」
──今後は?
「最後と決めたからこそ、和歌浦の方々と長く、良いお付き合いを続けたい。朝のあいさつをしたり、魚をお裾分けしてくれたり。新参者をこんなにも優しく受け入れてくれてありがたく感じており、その気持ちをご飯で恩返ししたいんです」
【〇〇.食堂】
和歌山市新和歌浦4-1
営業 7:00~11:00(モーニング)
11:00~14:00(ランチ)
17:00~22:00(金土のみ)
定休日 月曜 火曜
電話 070・1796・0088
(ニュース和歌山/2024年7月27日更新)