《回答者》
◆循環器内科
みなかたクリニック
南方 常夫院長

 ご質問者は40歳の頃、帯状疱疹に罹患した経験があるとのこと。ワクチンは、罹患歴のある人も、もちろん接種可能です。

 帯状疱疹の原因は、水痘ウイルスです。初めて感染するときは水痘として発症しますが、その後、ウイルスは体内に潜伏し、加齢や免疫力の低下に伴って帯状疱疹を発症します。症状は、皮膚を刺すような痛みやぴりぴりするような痛みで、数年続くこともあります。

 患者は50歳代以降に多く、80歳までに約3人に1人が罹患するといわれます。また、50歳以上で発症した人の約2割に痛みが残るといわれ、3か月以上痛みが続くものは帯状疱疹後神経痛(PHN)と呼ばれます。頭部から顔面に症状が出ると、目や耳の神経が冒され、めまいや耳鳴りなどの合併症が現れたり、重症化すると視力低下や失明、顔面神経麻痺(ラムゼイ・ハント症候群)など、重い後遺障害が残ることがあります。

 ワクチンは、▽帯状疱疹予防としての水痘ワクチン(生ワクチン)▽20年1月から日本でも使用可能となった不活性ワクチンの一種である組み換えサブユニットワクチン、の2種類があります。それぞれ特徴が異なりますので、主治医とよくご相談ください。

(ニュース和歌山/2024年9月29日更新)