《回答者》
◆総合診療科・外科
貴志川リハビリテーション病院
西村 和彦院長

 五十肩は50歳代を中心に40~60歳代に多く見られ、進行すると肩関節の動きが悪くなる病気です。加齢に伴う骨、軟骨、靱帯、腱など関節の炎症が主な原因といわれます。

 五十肩は経過により、急性期、慢性期、回復期に分かれます。▽急性期(炎症期)は発症してから約2週間をいい、安静時や夜間でも肩が痛みます。薬で痛みを和らげ、安静にします。▽慢性期(拘縮期)に入ると痛みは徐々に軽減しますが、動かしにくく、動く範囲も狭いです。この状態は約6ヶ月間続きます。▽回復期には、関節の痛みや動きが徐々に良くなります。自然治癒で元通りになるには通常約1年かかるといわれ、運動療法を継続するようにしましょう。

 一方、症状が軽快しない場合、X線やMRI、超音波検査などによって、「腱板断裂」や「変形性肩関節症」などほかの病気でないことを確認します。

 治療には、保存療法と手術があります。保存療法は、薬物療法・運動療法・理学療法が一般的です。改善しなければ手術を検討します。予防は、肩を温め血液循環を良くし、適度に動かすことです。しかし、すでに痛みが生じている場合は無理に動かさず、早めに整形外科を受診しましょう。

(ニュース和歌山/2024年10月20日更新)