《回答者》
◆整形外科
貴志川リハビリテーション病院
手外科専門医・足の外科認定医
整形外科専門医
谷口 泰德 副院長

 アキレス腱断裂は30〜50歳によく見られます。原因の多くは、テニス、バレーボールなどのスポーツ活動です。その他の原因にダンス、階段の踏み外しなどがあります。高齢者やステロイド服用中の方は、腱が変性しやすく、アキレス腱断裂が起こりやすくなります。アキレス腱断裂の症状は、スポーツ中に足の後ろを蹴られたような強い衝撃を感じます。痛くても歩くことはできますが、つま先立ちはできません。症状がふくらはぎの肉離れと似ているため、アキレス腱の断裂が見逃されることがあります。アキレス腱部のところを触ってみてヘコミがあれば診断されます。X線検査では断裂はわかりませんが、MRI検査や超音波検査で断裂部を確認できます。

 治療は保存治療と手術治療があります。保存治療では膝下から足先までギプスや装具による固定を行います。保存治療ではキズが残りませんが、再断裂の恐れがあります。手術治療の方が確実に腱を縫合するため、固定期間が短くなります。また、早く通常の生活に復帰でき、アキレス腱の機能回復も良好です。正常な歩行は術後2ヶ月で可能となります。スポーツ完全復帰は5〜6ヶ月後になります。詳細は整形外科専門医にお尋ねください。

(ニュース和歌山/2024年11月23日更新)