《回答者》
◆消化器外科・一般外科
福外科病院
消化器外科専門医
大腸肛門病専門医
消化器病専門医
福 昭人院長
痔とは、肛門にある血管や、静脈そうという結合組織からなる柔らかい肛門のクッションが腫れ上がることで発症します。男女差はなく、45~65歳が最も多いといわれます。
原因は、便秘などの排便障害や排便時のきばりのほか、重いものを扱う仕事や長時間のデスクワークなど、肛門に負担がかかる日常生活が指摘されます。また、妊娠や出産でなる人もいます。症状は、出血、痛み、脱出、腫れ、粘液の漏れなどです。相談者様がお悩みのかゆみは、便や粘液による皮膚への刺激のほか、温水洗浄を過度に繰り返した結果、皮膚表面が炎症を起こし、さらなるかゆみにつながっている場合があります。
治療は排便などの生活習慣の改善、痔核のうっ血をとる座薬や内服、肛門周囲皮膚への軟膏などがあります。脱肛を伴う場合で症状の改善を認めないときは、外科的治療が必要です。まずは日本大腸肛門病学会認定の専門医にご相談ください。専門医は学会のホームページで検索可能です。
(ニュース和歌山/2024年12月22日更新)