およぎに行きたいけれど…
水遊びが楽しい季節に、こんな絵本はいかがでしょう。
ある夏の日、トマトさんが地面に落ちました。地面は暑くてたまりません。トカゲ達がおよぎに誘いますが、トマトさんは「ぷかぷかおよぐのなんか、みっともないでしょ」と断ります。本当は体が重くて小川まで転がっていけないのです。トマトさんはずんずん暑くなって、ほっぺが痛いくらい。ぽろりと涙を落とします。やっと「わたしもおよぎにいきたいよう」と言えたトマトさん。どうやって小川に行ったでしょう?
トマトさんの表情が魅力的。しんなりした泣き顔、強がりを言っている顔、とびきりの笑顔。どの表情にも愛らしい子どもの顔が重なります。
(和歌山市民図書館司書 額田美那子)
(ニュース和歌山2015年7月22日号掲載)