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 海南市黒江を舞台にした短編映画『ISHICHI(イシチ)』の上映会が7月19日、同市日方の伊勢部柿本神社で行われた。地元住民ら150人が鑑賞し、完成を喜んだ。特別ゲストとして主演を務めた吉本新喜劇の青野敏行さんが来場し、「こんなに素晴らしい映画になるとは思っていなかった。海南は歴史のある良い町なので、映画をきっかけに全国へPRしてほしい」と話した。

 映画は1月、吉本興業と海南市民有志が共同制作。代々伝わる漆器の椀を巡り、波乱が巻き起こる歴史ファンタジーで、田島漆器旧工場やのこぎりの歯状に建物が並ぶ独特の街中で撮影し、住民80人がエキストラとして出演した。3月に沖縄国際映画祭に出品され、県内での上映はこの日が初めてだった。

 上映会に訪れた同市の辻本裕美さんは「海南市民でも知らない歴史が表現されていた。普段見ている街並みがスクリーンで美しく映し出されていて驚きました」と笑顔を見せていた。

 なお、制作に携わった海南の商工会議所青年部(YEG)に所属する志場泰造さんが、8月19日(水)午後7時半、同市日方の同会議所で和歌山市、田辺市のYEGメンバーと「映画を通じてまちづくり」をテーマにトークセッションを開く。

 和歌山YEGメンバーで、有田川町を舞台にした2014年公開『ねこにみかん』プロデューサーの有井安仁さんが企画。各地域での制作のきっかけや裏側を語り、映画による地元に根ざしたまちづくりを考える。

 志場さんは「イシチをきっかけに制作に関わった地域の人の結束が強くなった。映画は上映で終わりではない。地元でどんな映画がつくられているかを知り、まちに関心を持つきっかけにしてほしい」と呼びかけている。

 無料。希望者は海南YEG(073・482・4363)。

写真=上映会では監督や出演者らがトークを披露

(ニュース和歌山2015年7月25日号掲載)