みなかた クリニック 南方 常夫院長
A. 47歳ごろから糖尿病の加療を受けていて、最近になって血糖コントロールが良くないとのご相談ですね。
まず、食事や生活習慣に変化はありませんか。間食が増えたとか、足腰が悪くなって運動量が減ったなど、思い返してみて下さい。次に考えてほしいのは、感染症にかかったり、ほかの医師からステロイドなどを処方されていないかという点。これらが高血糖の原因になっていることもあります。さらに、甲状腺機能亢進(こうしん)症をはじめとする内分泌性疾患や悪性腫瘍(とくに膵がん)の罹患も、高血糖を招きます。
しかし、いずれにも当てはまらないのであれば、インスリン分泌機能が低下している可能性があります。2型糖尿病として治療を受けていたが、実は、緩徐進行1型糖尿病だったというケースが考えられます。
糖尿病の病型診断には、膵島関連自己抗体の測定が重要で、抗GAD抗体や膵島細胞抗体(ICA)が検出されれば、1型糖尿病と診断します。初期であれば経口血糖降下薬の内服も有効ですが、最近は、わずかに残っているインスリン産生細胞(残存膵β細胞)を保護する目的で、積極的にインスリンを投与することも増えています。主治医とよくご相談下さい。
(ニュース和歌山2015年7月25日号掲載)