得意とする右回転の速球でストライクを狙うサウスポー。昨年初めて出た近畿大会で優勝し、その勢いで挑んだ全国大会は5位と表彰台を逃した。「1つのピンに集中し、仲間と競い合えるのが楽しい。昨年の悔しさをバネに、今年はメダルを狙います」と意気込む。
5年前、元プロボウラーの親戚から誕生日プレゼントでボールとグローブをもらった。それまでは遊び程度でしかしたことがなく、平均スコアは100未満。親戚の指導のもと、立ち位置やフォームを1から教わり、本格的に競技を始めた。
レーン左寄りから繰り出す速球は、ピンの手前で右に曲がり、ヘッドピンと2番ピンの間に吸い込まれる。「ゲーム数によって、レーンに塗られている油の量が変わってくる。それに合わせて球の曲がり方が変わるので、投げる位置を考えないといけません」。投球には精神面の安定が欠かせず、音楽を聴いて気持ちを落ち着かせる。
課題は握力。利き腕の右手は小学校の時に大やけどを負い激しい運動ができず、左手で競技に打ち込む。ジムで左手の握力を強化してからコントロールが良くなり、この1年で平均スコアを60伸ばした。
和歌山県選手団監督で県ボウリング連盟理事の西山明宏さんは「どうすれば上達するかを常に考え、思うようにできない自分と格闘している努力家。他人のプレーを観察し、自分の物にできれば、秋の紀の国わかやま大会でもメダルに手が届くはず」と期待している。
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全国障害者スポーツ大会「紀の国わかやま大会」(10月24日〜26日)に出場する県出身の選手やチームを土曜号で紹介します。
(ニュース和歌山2015年8月8日号掲載)