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 和歌山電鉄貴志川線伊太祈曽駅の駅長を務めていたニタマ(雌、5歳)が8月11日、「たまⅡ世駅長」として貴志駅長に就任した。小嶋光信社長は「ニタマの人気は非常に高く、すでにファンがたくさんできている。たま名誉永久駅長と共に、和歌山電鉄や世界の公共交通を守り、新たなパワースポットとして皆さんの心を癒やしてくれるはず」と語った。

 6月22日に急性心不全で亡くなった元貴志駅長のたま。国内外から多くのファンを集め、〝招き猫〟として同線の活性化に貢献した。ニタマはたまの部下として2012年に伊太祈曽駅長に着任し、和歌山市観光特別大使アゼリニャに就任、貴志駅長の業務を代行し、たまを支えてきた。

 11日の辞令交付式で、小嶋社長が「たまは温厚な性格で普段は怒った姿を見せませんでしたが、部下のニタマにはいつも厳しく、時に『ハーッ!』と怒って、仕事ぶりを注意していました。自分の後継に育てるための愛のムチだったのでしょう」と振り返り、辞令をニタマに示した。

 貴志駅舎建て替えの際にホームに造られた「ねこ神社」を改装したたま神社の除幕式も行い、小嶋社長が「たま大明神」と揮毫(きごう)した石碑とたまの銅像が披露された。

 式に出席した貴志川線の未来を〝つくる〟会の濵口晃夫代表は「たまは貴志川線の存続に向けた活動の先頭に立って頑張ってくれた。これからは神社の中から温かく見守り、ニタマや電鉄に力を貸してほしい」と望んでいた。

写真=辞令を示されたニタマ駅長

(ニュース和歌山2015年8月22日号掲載)