和歌山市出身のヴァイオリニストで東京藝術大学音楽学部長の澤和樹さんが8月20日、同市西高松の県立図書館2階メディアアートホールで、小中学生に公開レッスンを行った。
同大の教員が地方に出向き、音楽家を目指す子どもたちにピアノやヴァイオリン、フルートの指導を行う「早期教育プロジェクト」の一環で、和歌山での公開レッスンは県立図書館と初共催。澤さんは同大で指導に当たる一方、国内外のコンサートに出演している。2004年に県文化賞を受賞し、昨年はメディアアートホールの音楽監督に就任した。
今回は審査を通過した岡山、兵庫、大阪、滋賀、三重の小学4年から中学2年まで8人が指導を受けた。それぞれバッハやサラサーテらの好きなクラシック曲を披露。澤さんが手本を示しながら「今、左手が遅れている」「親指の準備をもう一瞬早く」と、40分間ずつアドバイスした。
指導を受けた小学生は「例えや体を使って教えてもらえたので、とても分かりやすかったです。またレッスンを受けたい」。熱心に見学していた和歌山大学附属小学校6年の今村圭介さんは「5歳からヴァイオリンを弾いています。きょうは雲の上の存在のような澤先生の指導を間近に見られて感激した。指使いが具体的でとても勉強になりました」とにっこり。
澤さんは「子どもたちは教えたことを即座に理解し、どんどんその場で音が変わっていった。皆さんとても表現力がある。今後に期待しています」と話していた。
写真=澤さん(左)から直接手ほどきを受ける受講者
(ニュース和歌山2015年9月5日号掲載)