◆眼科

吉村眼科 吉村 利規院長

A. 目の表面は粘膜と涙におおわれており、瞬きをすることで潤いが保たれ、乾燥を防いでいます。しかし、粘膜と涙に異常が起きると、角膜の表面にある凹凸に涙が保たれにくくなり、強くまぶたとこすれて、ゴロゴロ感や違和感を生じます。これを「ドライアイ」といいます。目の渇きや見えにくさ、痛み、まぶしさ、かすみ、疲れが一般的な症状で、肩こりや頭痛など日常生活に支障が出る場合もあります。コンタクトレンズの装用や、前方を見つめる車の運転、画面を凝視するVDT作業など、瞬きが少なくなる状況が続くと悪化します。
 空気が乾燥しやすくなる季節は、暖房によって室内の湿度がさらに下がり、涙の蒸発が促進されます。対策の第一は、部屋の湿度を保ち、目が乾きにくい環境を整えること。そして、しっかり瞬きをし、目の表面が乾かないように心がけます。
 防腐剤を含まない人工涙液の点眼が有効な場合もあります。近年は、目の表面の粘膜を治療する新しい点眼薬が使えるようになり、症状の改善に役立っています。
 ドライアイは、原因により対策が異なります。眼科専門医を受診して、原因を明らかにした上で、治療や予防の指示、生活指導を受けてください。