和歌山市滝畑地区に建設が計画されている産業廃棄物最終処分場について、同地を修行場として利用している修験道諸宗派の代表者らが9日、建設許可権者の尾花正啓市長と、林地開発の許可を出す仁坂吉伸知事を訪問(写真)し、計画の中止を求める要望書を提出した。
雄ノ山峠の府県境にある滝畑地区。ホタルが舞う美しい自然を地元住民が守ってきた同地区に2011年、金属くずやコンクリートがれきなどを処理する産廃処分場の建設計画が持ち上がった。同地区自治会を含む山口地区連合自治会は水質汚染や土砂災害の危険性などを指摘し、反対運動を続けている。
この日は、根来寺や那智山青岸渡寺、京都の聖護院、滋賀の三井寺などの代表者が訪れ、古くから修験者の行場として使われてきた歴史を説明。聖護院の宮城泰年門主が代表して「巡礼の道中に位置し、重要な霊域にあたる。川をはじめとした自然環境や人々の安全にもかかわるので、配慮願いたい」と語った。
要望書を受け取った尾花市長は「友ヶ島が葛城修験の第1番の行場で市と縁が深く、地元にも懸念がある。要望書をしっかり読んで対処したい」。仁坂知事は「林地開発の許可基準に地元の同意が必要と書かれている。現状では住民が一致団結して反対しているため、許可できない」と態度を示した。
(ニュース和歌山2015年9月19日号掲載)