地元への恩返しの舞台に レスリング 湯元進一選手
和歌山市立西脇小学校3年で始めたレスリングとのつきあいは20年を超えた。日の丸を背負い、2012年のロンドン五輪で銅メダルを獲得した湯元進一選手(自衛隊体育学校)も、「地元和歌山での大会に出場するのは和歌山工業高校時代以来。楽しみで仕方ありませんが、少しプレッシャーも感じますね」と笑う。生まれ育った故郷での特別な大会。「紀の国わかやま国体は、私を鍛え、育ててくれた指導者の方々、両親、そしてあたたかく応援してくださった和歌山の方々への恩返しの舞台です」
写真 この記事上=故郷で得意のタックルが見られるか(自衛隊体育学校提供)
故郷のマットに思い込め
初めての国体は、和歌山工業高校2年で挑んだ宮城大会。少年男子50㌔級を制し、インターハイとの2冠を達成した。印象深いのは拓殖大学4年時の兵庫国体。双子の兄、健一さん(現・日本体育大学専任コーチ)とそろって頂点に立った。「それまで全国大会では兄と同時に優勝したことがなく、周りから『1人が勝てば、もう1人はダメ』と言われていた。だからよく覚えていますね」
その兄が2008年の北京五輪で銅メダルを獲得。4年後のロンドン五輪では自らも3位に入り、双子でメダリストとなった。その後、兄は一足早く引退し、指導者の道へ。自らは現役を続ける。「和歌山での国体、兄も出場したがってたんですが、僕をうらやましく思ってるんじゃないでしょうかね」と笑顔を見せる。
円熟味を増した30歳。今回、レスリング競技に出場する県選手では最年長だ。「後輩に伝えるとすれば、地元で戦える舞台はそうないので、ワクワクした気持ちを持ってほしいということ。技を出せずに負ける後悔をするくらいなら、思いっきり戦って負けた方が、応援してくれる人も気持ちいいですから」。自らの試合を地元で披露する機会でもある。「全力でチーム和歌山に貢献したい。同じ和歌山県人として、世界で戦ってきたレスリングを見て、活力を見つけてもらえれば」。故郷のマットに思いを込めて上がる。(写真は自衛隊体育学校提供)
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湯元選手が出場するレスリング成年男子フリースタイル61㌔級は9月27日(日)に1・2回戦、9月28日(月)に準々決勝〜決勝が那智勝浦町体育文化会館で行われる。
注目選手・男性編
いよいよ9月26日(土)、総合開会式が開かれる紀の国わかやま国体。チーム和歌山802選手の中から、今回は上位進出の期待がかかる6競技の男性選手をピックアップします。 |
レスリング 会期 9/27㊐〜30㊌ |
陸上競技 会期 10/2㊎〜6㊋ |
ボウリング 会期 9/27㊐〜10/2㊎ |
自転車 会期 9/27㊐〜10/1㊍ |
カヌー 会期 10/1㊍〜4㊐ |
アーチェリー 会期 9/27㊐〜29㊋ |
※一般駐車場がない会場もあります。詳細は各競技開催市町村の国体実行委に問い合わせるか、国体HPで確認ください。 〇和歌山市……073・433・6790 〇岩出市………0736・62・2141 〇日高川町……0738・23・9511 〇印南町………0738・42・1700 〇那智勝浦町…0735・29・7121 〇北山村………0735・49・2331 |
「紀の国わかやま国体 いざ出陣」は今回で終了します。
(ニュース和歌山2015年9月26日号掲載)