提案者:土井 久幸(洋画家)

2015101705houan

 高度成長期が終わり、人が物により満たされる時代は終えんを迎え、21世紀は心の充実を求める時代になる。そうなった時、美術や音楽などの文化がより大切になるだろうと言われていました。21世紀になり15年。そのような時代になったとは正直あまり感じません。

 近年、和歌山で芸術によるまちおこしの様々な試みがなされています。展覧会や音楽会が毎週のように催され、親しみやすいように工夫されたイベントも行われているようですが、なかなか広く一般に認知されていないのが現状です。

 和歌山は文化レベルが低いとよく言われます。地元の人たちもそう思っています。しかし、これだけ毎週、あちこちで県民が自主的にイベントを開催している自治体はあまりないと他県の人は驚いています。

 そこで月1回は美術館や博物館、町のギャラリーや音楽会へ行き、文化にふれる機会をつくってはいかがかと思います。「文化にふれる日」を決め、地元文化にふれることを推進する条例ができてもいいです。

 芸術文化は本来、鑑賞する人、行う人に充実感をもたらし、精神的なゆとりを生み出します。それは生きていくことに直接必要のない、一見無駄な事だからこそ、それに触れる時、より充実感が増すのです。

  趣味で自分なりの表現を楽しむことはいいことです。しかし、来てくれた方が充実感を覚え、楽しいと思ってもらわないと、文化にかかわりのない方は永久に足を運びません。「文化にふれる日」に毎月続けて出かけてもらえば、様々なことが分かり、感じるようになります。一方、作り手も、その日には手軽なワークショップを開くなど一工夫する。自己主張ばかりでなく、鑑賞する方が充実感を持てる作品の制作を作り手が真剣に考えるきっかけにしたいです。

 そうなれば作る側と見る側双方の熱意が上がり、文化を向上させる相乗効果が生まれると思います。

写真=今夏のたんざくアート展

この法案にご意見を

 「賛成・反対・どちらでもない」のご意見とその理由、氏名、年齢、職業、住所、電話番号を書いてお寄せください(匿名希望の場合、その旨も)。次号以降掲載します。抽選で毎月3人に1000円分のクオカードを贈ります。

 なお、皆さんからの「和歌山よくする法案」も募集中です。

【応募先】

編集部「よくする法案」係

郵送=〒640・8570ニュース和歌山

FAX=073・431・0498

メールnwtoko@nwn.co.jp

法案への読者の声

10月3日号掲載 まちなかで出張ブックカフェ

 読書やカフェ好きな人が集まり、まちのいろんなところで出張ブックカフェを展開すれば、読書のきっかけがない人も本を楽しめます。(ブックハンティング主宰・赤井智也子)

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 私が学生の時には、読んだ本についてのトークを楽しんだものだが、今では大学院生ですら本を読まないことに驚く。本や趣味の話はとても楽しく、時間を忘れておしゃべりが止まらなくなるもの。そんな話ができる場があったらいいなあと思っていた。誰かに本について感想を言っても、その人が読んでいないから、称賛も批判もなく意見がない。無理強いはできないが、もったいないと思う。でもこの法案を見て「ある!」と喜んだ。いつか私も出張ブックカフェに行きたいと思う。近くであるのかしらねえ。楽しみにしています。(無職 匿名・50歳)

 本が好きで、読みたいと思って購入するが、「ツンドク」になることが多いですね。カフェやお菓子も好きなので、メニューを楽しみながら本を読んで、様々な人と出会ってつながっていくのは素晴らしいと思います。(主婦 匿名・79歳)

 私も本が好きなので、この法案のように本好きを増やすようなイベントは数多くしてほしいと思います。今は本を全く読んでいない人でも、きっかけさえあれば本のおもしろさにきっと気付いてくれると信じていますから。(会社員 匿名・36歳)

9月19日号掲載 旅先に和歌山土産を持参しよう

 まちを元気にする取り組みを次世代の若者へ橋渡しするため、老若男女問わず誰もが参加できる市民の意見交換会を月1回開催しましょう。(エスプロジェクト代表・志場泰造)

sanseiorenzi

 本法案提案者の和歌山アピール活動は素晴らしいと思った。付け加えるとすれば、食べてしまうと残らないお菓子より、日常生活でよく使う物などの方が、ふとした瞬間に和歌山を思い出してもらうことができて、次回の旅行先の候補に入れてもらえるのではないだろうか。和歌山をアピールするための、例えばポケットティッシュやマグネットなどを市や県が作製すれば、個人単位でのアピールも容易になると思う。(主婦 匿名・30歳)

dotirademonaimidori 個人独自で工夫されていて素晴らしいが、限界が見え隠れしているのも事実。個人だけでなく、県が和歌山の良さをアピールする方が効率が良い。県もできるだけのことはしているだろうが、さらにもう一歩先を見すえた戦略を立て、全国に「和歌山あり」と言わしめるほど知名度アップに貢献してもらいたい。(契約社員 川﨑健太・32歳)

(ニュース和歌山2015年10月17日号掲載)