和歌山には２つの冬があります。海辺近くの穏やかな冬と山奥の厳しい冬です。山の冬は厳しいですが、とても美しい。オーストラリアで育った私にとってホワイトクリスマスは特別です。日本と季節が逆のオーストラリアに雪が降るクリスマスはありません。
私はクリスマスに高野山を訪れるのが大好きです。美しい雪景色が見られ、神秘的な奥の院に行くとなぜか家族のことを思い出します。厳かな雰囲気のある寺院と仏像。凍えるほど寒いのに仏像たちはいつもほほ笑んでいます。鮮やかな橋の赤と真っ白い雪のコントラストは、ここを通る人の気持ちを温めてくれます。
雪をまとった大きな杉の木のクリスマスツリーに囲まれ、私はこの日本のクリスマスを楽しむのです。
※第２・４水曜号掲載。次回は1 月13 日号です。
（ニュース和歌山2015年12月9日号掲載）
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サイモン・ワーン（Simon Wearne）
オーストラリア出身の写真家、映像ジャーナリスト。２００８年に来日し、和歌山大学観光学部の特任助教を務めるかたわら、太地町の捕鯨文化をユネスコの産業遺産に登録するため、文化財の独自研究と調査を進めている。
