柔道の女子選手を増やすため、全日本柔道連盟は12月20日(日)、和歌山市和歌浦西の県立武道館で「和歌山ときめき柔道ガールズ~女性のための柔道教室」を初めて開く。企画する県柔道連盟理事の腹巻宏一さんは「柔道の枠にとらわれず、様々な角度から競技に親しんでもらえるよう考えました。女性や幅広い世代に柔道の良さを知ってもらいたい」と話している。
全日本柔道連盟の登録人数は2002年の20万人から14年は16万人に減少。特に女子は選手が不足し、地方大会では予選が行われない階級も出始めている。腹巻さんは「低年齢期からの勝利至上主義が普及につながっていない」とみる。
今回の教室は、ドイツにヒントを得た。同国ではダンスやアクロバットを組み込んだ稽古に加え、キャンプ、パジャマパーティーなどの交流会、いじめなどに関するセミナーを開き、柔道で出会った仲間や道場に愛着を持つためのプログラムが充実している。この取り組みをドイツ在住の日本人ジャーナリスト、高松平藏さんに教わった腹巻さんが企画した。
当日は、柔道の稽古に加え、よさこいやダンスの体験、和歌山大学の学生によるカフェや茶道家の小話がある。アトランタ五輪で銅メダルを獲得し、結婚後はシドニー五輪で銀メダルに輝いた楢崎教子さん、シドニー五輪強化選手で現在も競技を続ける高校教師の岡崎綾子さんが、立技、寝技を教えるほか、女性の柔道に関する質問を受け付ける。
腹巻さんの妻、牧さんは「ケガや体力への不安などがハードルになりがちですが、稽古にかけっこを取り入れるなど楽しみ方は色々あって良い。母親や女の子に柔道の楽しさを伝え、競技人口の増加につなげたい」と意気込む。
無料。午前9時半~午後3時。女性限定だが小3以下は男子可。希望者は直接会場へ。
写真=腹巻さんが運営する紀柔館ではダンスの練習を取り入れている
(ニュース和歌山2015年12月19日号掲載)