紀の国わかやま国体・大会、高野山開創1200年、外国人観光客急増と、にぎやかだった2015年。貴志川線のたま駅長の死去はじめ、全国ニュースになる話題もありました。本紙で紹介した記事から今年の重大ニュースを紹介します。
わかやま国体 県勢が総合V
県内で44年ぶりの国民体育大会となる「紀の国わかやま国体」、そして全国障害者スポーツ大会「紀の国わかやま大会」が9月と10月、県内各所で開かれた。国体ではホッケー、レスリング、セーリングなど8競技で和歌山が競技別総合優勝を果たし、全競技の成績を都道府県別に競う天皇杯で2257点を獲得、目標に掲げていた優勝を達成した。全国障害者大会でも県選手団が金メダル56個を含む127個のメダルを獲得。県勢の活躍が両大会を盛り上げた。
市駅と周辺に活性化構想
南海和歌山市駅ビルの建て替えや和歌山市民図書館の移転など市駅とその周辺地域の活性化構想を市と南海電鉄が5月に発表した。9月には地元商店街や城北地区の7自治会、和歌山大学などが連携し、市駅前通りを歩行者天国にしてオープンカフェやマーケットを開き、一部を芝生にする社会実験「市駅〝グリーングリーン〟プロジェクト」を2日間実施。将来のまちのシミュレーションを行った。また、まちなかを流れる市堀川の活用を考えようと、乗船体験も開いた。
トライアンズ 大揺れの1年
昨年、NBL(ナショナルバスケットボールリーグ)西地区で優勝した和歌山トライアンズに年明け早々、激震が走った。1月、運営会社が突然の活動停止。チーム存続が危ぶまれたが、県内外のファンや企業などから寄付が寄せられ、2年目のリーグ戦を戦い抜いた。苦しいチーム事情から勝利が遠い中、5月3日の最終戦では詰めかけたファン1117人に白星を贈った。現在は来年秋、新たに発足するBリーグ参入を目指し、地元の小学校を訪問するなど地域で活動を続けている。
さようなら たま駅長
全国初の猫の駅長として親しまれた和歌山電鉄貴志駅の駅長、たまが6月22日、急性心不全のため16歳で亡くなっ た。たま電車やたま駅舎と、数々の話題を届け、貴志川線の〝招き猫〟として、国内外から多くの乗客を集めたたま。社葬が同月28日に貴志駅で執り行われ、 仁坂吉伸知事ら約3000人が参列し、献花台はたまの写真や手紙、花束でいっぱいになった。小嶋光信社長は式典で、最後の辞令として「名誉永久駅長」に任 命。8月には伊太祈曽駅長だったニタマが「たまⅡ世駅長」として貴志駅長に就任し、貴志駅ホームにたま神社が設けられた。
老舗和菓子店 駿河屋が再開
昨年6月に9億円の負債を抱えて倒産した和菓子店、駿河屋。創業550年の歴史を絶えさせまいと、創業家出身の岡本良太社長ら有志が新会社「総本家駿河屋」を立ち上げ、3月24日、10ヵ月ぶりに和歌山市駿河町の本店にのれんが掛かった。初日は長年のファンら約200人が店外まで行列をなし、名物の本ノ字饅頭やようかんを買い求めた。以前より販売品目を減らしつつ、生菓子を中心に新商品を次々に打ちだし、4月に高松店、10月に海南店、11月に岩出店も営業を再開した。
外国人旅行客 過去最高に
和歌山市に宿泊する外国人観光客が急増している。今年1月~9月で8万100人が宿泊し、過去最高だった昨年の6万80人を既に超えた。地域別では中国が4万1426人と圧倒的で、香港が1万773人、台湾が8753人と続き、アジアからが目立った。同市のホテルはアジアの団体客で満室が続き、和歌山城や和歌山電鉄貴志川線、マリーナシティの黒潮市場を訪れる人が増えている。ぶらくり丁では多言語の案内マップを作成し、呼び込みに力を入れ始めた。
高野山開創1200年
弘法大師が真言密教の道場を開いて今年で1200年目を迎えた高野山。記念大法会が4月2日~5月21日に行われ、国内外から約60万人の観光客が訪れた。壇上伽藍金堂と金剛峯寺持仏の間の本尊を特別公開し、初日は172年ぶりに再建した壇上伽藍中門で、大相撲の白鵬と日馬富士の2横綱が奉納土俵入りを行った。根本大塔に映されたプロジェクションマッピングは伝統と最新技術の融合が話題に。ゴールデンウィーク中、宿坊はほぼ満室、5月3日と5日の参拝客は2万人を超えた。
(ニュース和歌山2015年12月26日号掲載)