ミャンマーの貧しい子どもたちに教育の場を与えようと活動するNGOチャイルドニーズホーム(CNH)。副理事長を務める和歌山県立医科大学保健看護学部3年の樋口亜美さんが、和歌山市でミャンマーをテーマにした月1回の交流会を今月始めた。樋口さんは「ミャンマーは親日国で優しい人がとても多い。交流会が色んな国、文化を知る機会になれば」と願う。
河内長野市出身の樋口さんは、小学生の時から、海外での仕事にあこがれていた。「先進国に生まれたからこそ、発展途上国でできることはないか」と看護師の道に。将来は助産師として途上国で腰を据えて働くのが目標だ。
2013年に愛知県豊田市の看護師、礒部陽子さんが立ち上げたCNHを知り、昨年(2014年)メンバーになった。CNHは毎月1000~3000円を寄付するスポンサーを日本で募り、両親がいないか、一人親家庭で暮らす子どもの学費を高校または職業訓練校卒業まで支える。現在は6~16歳の15人を支援している。
樋口さんは独学でミャンマー語を覚え、昨年8月から4回、東部のチャントインを拠点に、現地スタッフと4つの村を回って子どもたちと交流。また、月経の仕組みや避妊の知識がなく、子どもが増えてしまう母親たちに保健指導や避妊具の配布を行った。
忘れられない出会いがある。父親1人で4人の子どもを育てていた家庭で、貧しい家計を助けようと、長女は自ら中国に売られていった。11歳の次女は、1歳の弟の母親代わりをしていたが、決して笑顔を見せない。樋口さんが「私がお姉ちゃんになる」と伝え、何度も顔を合わせるうちに心を開いてくれるようになった。
和歌山で始めた交流会では、現地の写真やクイズを交えて理解を広める。「ミャンマーの紅茶『ラペイエ』を飲みながら、どんな国なのかを紹介します。活動を通じ、スポンサーが増えればうれしい」と期待する。
次回は1月8日(金)午後6時、和歌山市手平のビッグ愛8階。無料。希望者は氏名、連絡先を樋口さんへメール(childneedshome.ami@gmail.com)する。
写真=現地の子どもたちと(前列中央が樋口さん)
(ニュース和歌山2015年12月26日号掲載)