人間も猿も同じ仲間
表紙のゴリラのりっぱなこと! ゴリラが主役の絵本と思われるでしょうが、実はこれは数の絵本。
1は1頭のゴリラ、2は2頭のオランウータン、3は3頭のチンパンジー…。ページをめくるたび、数字と同じ数の猿の仲間があらわれます。どの猿も緻密で美しい絵ですが、本当に見事なのは、一頭一頭の個体がしっかり描き分けられていることです。
一頭として同じ猿はいません。人間の私とあなたが同じ顔をしていないように。10番目のワオキツネザルのページをめくると、最後は人間の顔。人間も猿もみな、霊長類という同じ仲間。そして、あなたもその仲間。
今年は申年。新しい年が幸多い平和な一年でありますように。
(和歌山市民図書館司書 額田美那子)
(ニュース和歌山2016年1月13日号掲載)