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 和歌山大学の防災教育チーム「SAZANKA(サザンカ)」が園児向けの防災手帳を初めて作成した。震災から命を守る会が1月14日に和歌山市で開催した防災イベントで園児たちに配布し、災害への備えを子どもたちに呼びかけた。経済学部3年の石川亮太代表は「楽しく学ぶだけでなく、災害の怖さを小さいうちから知ってもらいたい」と話している。

 東日本大震災が起きた2011年に、巨大地震が起きると予想される和歌山で備えの大切さを訴えようと発足したサザンカ。小学生向けの防災手帳を作り、ぶらくり丁のみんなの学校で出張授業を開くなど防災教育に力を入れてきた。

 園児用の防災手帳は14日のイベントに合わせて作成した。小学生向けの手帳より文字を大きくし、イラストを多用。「家にいるときに、大きなじしんがおきたら?」「夜にひなんするとき、どうすればいい?」とクイズ形式で問いかけ、本当の怖さを知ってもらうため、土砂崩れや家具が転倒した保健室など、実際の被災地の写真を解説に添えた。

 イベントでは、和歌山市内の園児約150人にクイズを出題。南海トラフ地震が発生した場合、約50分で同市に8㍍の津波が来ることや、各幼稚園、保育所の近くにある避難所を紹介した。石川代表は「子どもたちは『知りたい』欲求が強く、素直に向き合ってくれました」と目を細めていた。

 最後に、震災から命を守る会の臼井康浩理事長は「反復すれば子どもが大人になった時、防災の大切さを自然と語れるようになる。避難訓練の度に手帳を使ってほしい」と保育士や幼稚園教諭に訴えていた。

写真=クイズ形式で楽しみながら防災を学んだ

(ニュース和歌山2016年1月23日号掲載)