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 私立通信制の慶風高校(紀美野町田)は生徒がビジネスプラン立案に挑む起業部を立ち上げた。国内外の第一線で活躍するベンチャー企業を支えるプロから起業について学び、高校生コンテストに参加する。校内に留まらず、他校生や地域の人を対象にした講座も構想しており、顧問の能登左知さんは「早い段階から社会の問題を意識し、隠れたニーズを見つける目を養いたい」と話す。

 慶風高校は県内初の私立通信制高校として2005年に開校。クラブ活動ではテニスやゴルフで全国レベルの選手を輩出している。

 起業部は、ベンチャー育成企業カピオンの代表で起業支援を行う能登さんの助言で設立した。近年、日本政策金融公庫の高校生ビジネスプラングランプリなど高校生の起業アイデアを競うコンクールが増えており、能登さんは「甲子園への出場高校のように、今後、若い人の発想力が多くの人からたたえられる時代が来る」と考えた。

 中小企業整備基盤機構などで長年、起業支援に努めてきた能登さんに加え、同じくカピオン代表の曽我弘さんが顧問に着任した。曽我さんは、DVD制作システムをアップルに売却するなどアメリカのIT企業のメッカ、シリコンバレーで数々の実績を誇る。部員はこれら起業分野の第一人者からビジネスプラン作成のノウハウを学び、インターネットのテレビ電話スカイプを通じて東京の起業家や起業家支援者から話を聞き、発想力を養う。将来的には起業に関心のある他校生や地域にも門戸を開き、和歌山の起業レベルアップにもつなげたい考えだ。

 現在、まだ部員は3人と少ないが、それぞれ自分の好きな分野からアイデアを練り始めている。2年の小濱光加さん、有加さん姉妹は「2人で力合わせて何かを生み出したい」。2年の上野早也佳さんは「犬が好きなので、どんなことができるか考えたいです」。

 能登さんは「起業家は次の産業をつくる人たち。『あったらいいね』ではなく『なくてはならない』と投資家に思わせる本格的な起業の発想力を養いたい」と力を込めている。

写真=教員らの助言をもらいながら発想力を養う

(ニュース和歌山2016年1月30日号掲載)