各小学校で地域の方を〝先生〟に招いて行う特別授業。四箇郷北小学校(和歌山市有本)ではフランス料理のシェフ、小倉小学校(同市新庄)では助産師から子どもたちが多くのことを学んだようです。

コックさんに教わった〜四箇郷北小6年生

16020603_cock 四箇郷北小学校で2月1日、出前授業「キッズシェフ体験」が開かれた。6年生28人にフランス料理の調理法を教えたのは、和歌山市でフランス料理店を営む味村正弘さん。今年度の市文化功労賞を受賞している味村さんは「体験を通じ、普段の食事に興味を持ち、調理師を志してもらえれば」と期待していた。

 この日のメニューはフランスの家庭料理「すずきのムニエル」。味村さんが雑賀崎であがったすずきをさばき、小麦粉をまぶしてフライパンにのせると、徐々に香ばしいにおいが広がりはじめ、子どもたちは「おいしそうなにおい」と目を輝かせた。サラダ用の大根を手早くかつらむきする味村さんの包丁さばきを食い入るように見入っていた。

 続いて、児童が挑戦した。慣れない手つきで握った包丁を切り身に突き立てるものの厚い皮に刃が入らず悪戦苦闘。味村さんらの助けを受けながら調理を進め、ムニエルにかけるソースやサラダのドレッシングも完成させた。

 家で朝食やおやつをよく作る横山萌絵さんは「手際よく調理しているのがすごかった。料理は難しかったけど、みんなで作れて楽しかった」と笑顔。木戸口恭介くんは「皮がぱりぱりに焼けていておいしかった。家でも作ってみたい」と喜んでいた。

助産師さんに教わった〜小倉小2年生

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 小倉小学校を2月2日に訪れたのは、校区内に住む助産師の安宅満美子さん。毎年、命の誕生についての授業を行っており、今年で8年目だ。

 2年生61人にまず配ったのが折り紙。照明に透かすと針であけた小さな穴があいている。「それが赤ちゃんの最初、卵子の大きさです」。また、受精から4週間後、7㍉に成長した赤ちゃんの写真に赤いハート形のものが写っているのを紹介。「これは心臓。心臓は英語で〝ハート〟と言います。このころから赤ちゃんにはハートがある。だから人のことを思いやる気持ちを忘れないで」と語りかけた。

 このほか、児童はお腹に赤ちゃんがいる母親の大変さを体験できるエプロンのような道具をつけたり、赤ちゃんの人形を抱いたり。塩谷真咲さんは「妊婦さん体験の服も、赤ちゃんの人形を抱っこしたときも重かった」、辻晃大くんは「陣痛が始まって生まれるまで23分の子もいれば、1週間かかった子もいると聞きました。帰ったらお母さんに自分がどれぐらいで生まれたのか聞きたい」とにっこり。

 安宅さんは「赤ちゃんは頑張って生まれてくる。そして生まれることは奇跡的なこと。だからこそ自分や他人を傷つけることはよくないんだということを知ってもらいたい」と願っていた。

(ニュース和歌山2016年2月6日号掲載)