春にかけてたくさんの観光客でにぎわう貴志川観光いちご狩り園(紀の川市貴志川町神戸)。ビニールハウスいっぱいに甘ずっぱ〜い香りが漂っています。今回は、いちごを育てる小日向浩さんに、いちごにかける思いを聞きました。
ここでは、17棟のビニールハウスで5万株を育てています。種類はまりひめ、さちのか、紅ほっぺの3つ。小日向さんは「まりひめは和歌山県生まれの品種。大きめで甘くてジューシーです。赤く色付き、つやのあるのがおいしいですよ」。
いちご狩りを楽しめるのは1月中旬〜5月。時間の制限がなく、食べ放題です。週末は1日約100人が訪れます。「1人平均50粒ほど食べてお腹いっぱいになって帰ります。最高記録は200粒。中学生の男の子でした。いちごが目覚めたばかりのみずみずしい午前中がおすすめです」
農薬や化学肥料をなるべく使わず、自然の味にこだわっているため、手作業で1年かけて育てます。夏は50度近くになるハウスの中でポットに入った苗を育て、秋に土へ植え込みます。虫を取り、病気になっていないか一つひとつ確認。冬の昼は28度に保ち、夜は5度以下に下がらないように室温を調整しています。「昼と夜の温度差があると甘くなります。ただ、天気が悪いと大きくならないこともあるデリケートな果物。『今日の気分は?』といちごと会話できるぐらいになったら、一人前でしょうね」。小日向さんの夢は貴志川のいちごを味、量ともに日本一にすること。「世界中の人に来て味わってもらいたい」と瞳を輝かせています。
午前9時〜午後3時。1500円、小学生1000円。同園(0736・64・7212)。
(ニュース和歌山2016年2月10日号掲載)