満点の笑顔に「ありがとう」、ガッツポーズに「やったね!」などオリジナルの似顔絵にメッセージを添えたはんこ「似てルンです!」を、和歌山市東長町のみの印章堂が製造している。箕尾光芳社長は「会社や学校で人と人をつなぎ、場をほんわり和ませるはんこです」と笑顔を見せる。
1950年創業の同社は、七曲市場に店を構え、はんこや段ボール箱のデザインを手がける。
似顔絵はんこは2015年3月、先代社長の箕尾幸明さんの入院がきっかけで生まれた。タオルや下着にマジックで名前を書く代わりに、社員が作った幸明さんの似顔絵のはんこを押したところ、看護師から「かわいい。名前が分からなくても絵でだれの物か分かる」と好評だった。似顔絵はんこが会話を生むきっかけになると商品化を進め、9月に販売を始めた。
1枚の写真をもとに、下絵を手描きし、パソコンで読み込んで仕上げる。5本1セットで、それぞれに表情の異なる似顔絵と希望のメッセージを添える。これまで、小中学校の先生や個人経営店の店主など20件以上の注文があった。似顔絵を描く社員の上田菜実代(なつよ)さんは「先生からの注文が一番多いです。困り顔の『がんばりましょう』や、人差し指を立てた『ここがポイント』など生徒とのコミュニケーションに使われるようです」と話している。
似顔絵の技術を生かし、スマートフォン専用アプリ、LINEに使われる似顔絵スタンプも製造。新規性が評価され、和歌山市が期待できる製品に贈るチャレンジ新商品に2月認定された。
5本セットで8640円。同社(073・423・0447)。
(ニュース和歌山2016年2月27日号掲載)