先週、ふがいなくインフルエンザにかかってしまい、久しぶりに病院にお世話になった。薬を処方していただき、治療してくださった先生には感謝している。ただ、一つだけ。最近の病院はパソコンと対話しているのかな?と思うことがある▼「昨日から熱が下がらなくて」「何度ですか?」「食欲は?」…。症状をカチカチとパソコンに打ち込む。最後に私の顔を見て「うわぁ〜、真っ赤ですね」。顔は来た時から真っ赤だった▼そんな私も他人のことを言えない。個人的に参加する勉強会の会議にパソコンを持ち込み、議事録作成をその場で済ます。帰宅してから打つより効率が良く、楽だからだ。結局、会議では発言をほとんどせず、主旨を理解しないまま終わってしまう▼会社や病院、学校もIT化の時代。確かに便利になり、効率が上がり、その恩恵ははかりしれない。ただ、そればかりにとらわれると、肝心なことを見落としてしまう。データや資料作成に必死で、目の前にいる人の機微を推し量れなくなる。   (岡村)

(ニュース和歌山2016年3月26日号掲載)