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 韓国、イタリア、イギリス、日本と世界のアーティスト6人による美術展「ある感覚、ある合一から センス・オブ・ディス・コンビネーション」が4月9日(土)と10日(日)、和歌山市和歌浦中のあしべ屋妹背別荘で開かれる。企画した日高川町出身の墨象画家、尾崎水耶(みや)さんは「各国の作家が言葉でなく感性で一つの空間をつくります。潮が満ち引きする和歌浦の自然の気配とともに、共感できる作品を見つけ、記憶に残る何かを感じ取ってもらえれば」と望んでいる。

 墨やアルミフィルム、セロハンなどを素材に現代美術作品を制作する尾崎さん。前衛的な書家、故榊莫山(さかきばくざん)さんに1986年から10年間師事した後、自由な作品づくりに取り組む。国内外で展覧会を開き、2015年12月にはイタリアの文化賞、プレミオ・フィレンツェの視覚芸術部門で金賞を受賞した。

 今展は昨年、妹背別荘での桜まつりに訪れた尾崎さんが、干潟に浮かぶ小島の別荘に居心地の良さを感じ、企画した。これまでの活動で出会った芸術家とイタリア人アートプロデューサーら6人で美術グループ「G─6(ジーロク)」を結成し、開催する。

 韓国人のホン・サンムンさんが東洋画、イタリア人のシモネッタ・フォンタニさんがイタリアの画法で描いた情熱的な油彩画と水彩画、イギリスからはベス・フリモディグさんがハスの花を模した折り紙でインスタレーション作品を展示。また、現代美術作家の土師清治さんが屋外の木に立体的なオブジェを飾り、尾崎さんは墨と樹脂などで、実際に踏んで感触を体感できる空間を演出する。

 尾崎さんは「世界は不安定な状況で、自分の生活の足場に希望を持ちにくい時代。これから自分は何をしていくべきかなど、美術展で立ち止まり、考えるきっかけにしてほしい」と願っている。

 午前9時〜午後7時(10日は5時半)。尾崎さん(1.suichi-2.tata@ezweb.ne.jp)。

写真=今回展示する尾崎さん作「アイ・ステップ・オン・ア・バブル」

(ニュース和歌山2016年4月2日号掲載)