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 老舗和菓子店、総本家駿河屋は4月15日、再開1周年記念第2弾として「白外郎(しろういろう)」を発売した。40年以上製造の記録がなかったが、昭和初期まで使われていたとみられる包装の一部が見つかり、数量限定で復刻した。岡本良太社長は「シンプルで素朴な味わいです。店の歴史や和菓子文化の一端に触れてもらえれば」と願う。

 代表的な和菓子ながら、近年は名古屋名物として定着し、一般の店であまり見かけなくなった外郎。駿河屋でも40年以上前は京都伏見店でよく売れたが、他の菓子が増え、現在は季節商品の一部で使われるだけだ。

 今回、古い絵はがきなどを収集する和歌山市の溝端佳則さんが「蒸菓子」と書かれた短冊を発見。同店で調べたところ、ようかんの包装に使う短冊と同じ形で、「煮て作るようかんに対し、外郎は蒸して作る」ため、外郎の短冊と判明した。デザインから、昭和初期まで店頭に並んでいたことも分かった。

 材料は米粉と白砂糖のみ。もっちりした食感と、かむとじんわり広がる控えめな甘さが特徴で、味は砂糖のみと抹茶を加えた2種類ある。各450本限定で648円。同社(073・477・7151)。

(ニュース和歌山2016年4月23日号掲載)