16043003_mizuta

 江戸時代の和歌山城下町と現在の市街地図を重ねたマップ「城下町が息づく和歌山を歩こう!」が20日、再版された。2010年に解散した和歌山地理学会が08年に発行したマップで、活動を引き継いだ和歌山歴史地理研究会が一部改訂し、解説を加えた。水田義一会長は「和歌山の城下町は関西屈指の規模を誇ります。街の優れた建築プランやその歴史を知るきっかけになれば」と望んでいる。

 1855年の城下町絵図を町屋、神社など土地の用途別で10色に塗り分け、2500分の1の都市基本図に落とし込んだ。旧街道と現在の道路の重なり、埋められた堀などを知れ、詳細図では市堀川と城の間にあった三の丸の屋敷の配置と、城内に物資を運びこむための水路を示した。08年の初版は5000部発行し、小中学校で配布。街歩きで活用する人が増え、再版を望む声が多かった。

 今回は、藩行政の機能や建物の配置をイメージしやすいよう、藩校や役所といった目印になる建物を新たに盛り込んだ。解説では、三の丸にある「御犬部屋」が鷹狩に使用した犬の飼育小屋であるとの考察を加え、城下町の成り立ちや各スポットについて説明した。

 A1判、500円。宇治書店、宮脇書店ロイネット店・和歌山店、ツタヤウェイガーデンパーク店で販売。水田さん(073・425・1551)。

写真=解説を加えた城下町地図を指さす水田会長

(ニュース和歌山2016年4月30日号掲載)