16052103_harb

 フランス料理やイタリア料理に欠かせないハーブで県の農業を活性化しようと、栽培農家などが5月10日、県ハーブ研究会「わかやまコローレハーブ」を立ち上げた。「コローレ」はイタリア語で「彩り」の意味で、会長に就任した紀の川市の今木史典さんは「日本人の食生活の変化にともない、ハーブはこれから伸びていく野菜。日本の食文化に彩りを与えるよう、多くに人に広げていきたい」と意気込む。

 3年前からハーブを育てる今木さんを講師に、那賀振興局が昨年、栽培講習会を5回開催。今年3月には淡路島の栽培農家グループの畑を見学した。これらの参加者を中心に農家19人と、ハーブ栽培のほか、冷凍バジル、ドライハーブなどの加工を検討中のコスモス作業所(有田川町)が会を発足させた。

 創立総会では、今木さんが「農作物の中でハーブは面積あたりの収益性が高く、1年中出荷でき、安定した農業経営が図れる」と説明。今後、県の特産品にしていくため、作付面積の拡大や、県産ハーブのブランド名として「わかやまコローレハーブ」を商標登録すること、近畿大学農学部の協力を得て品質レベルの向上と統一化を図ることなどを確認した。

 那賀振興局農林水産振興課の澤井克文課長は「栽培方法の研修会開催などで支援していく。研究会の取り組みが新たな刺激となり、県の活性化につながれば」と期待していた。

写真=「販路を開拓し、安定した経営を」と話す今木会長

(ニュース和歌山2016年5月21日号掲載)