「防災」や「性的少数者(LGBT)」と話題になっているテーマの本を集めた特設コーナーを、和歌山市湊本町の市民図書館と、同市手平のビッグ愛9階にある県男女共同参画センターがそれぞれ設けている。
和歌山市民図書館 災害へ備え意識高めて
市民図書館は、熊本地震の発生を受け、「防災─もしものときに役立つ知識」コーナーを設置(写真上)。災害や防災情報を提供し、市民に意識を高めてもらうのが目的だ。同館は「対策しておくことで被害を少なくできます」と話す。
災害に備えておくべき防災道具や救急救命マニュアルを載せた『命を守る防災サバイバルBOOK』、非常食の種類や入手先を示す『生き延びるための非常食〈最強〉ガイド』など。また、普段からの注意事項を記した『家族で学ぶ地震防災はじめの一歩』『会社を守る防災マニュアルのつくり方』、さらに地震、豪雨、津波、台風、火山といった自然災害の説明書籍や、過去の災害に学ぶ本を並べた。
リストは178冊に及び、増やすことも検討中。同館は「子ども向けや、障害者、高齢者を対象とする本も置きました。発生が懸念されている南海地震をはじめ、災害時にどんな動きをすれば良いかを、この機会に家庭や学校、会社で話しあってください」と呼びかけている。
6月20日(月)まで。同館(073・432・0010)。
県男女共同参画センター 性的少数者の理解深めよう
県男女共同参画センターは、近年注目が集まるLGBTを広く知ってもらおうと、特設コーナーを6月10日(金)まで開設している。「多くの人に理解を深めてもらい、だれもが生きやすい社会について考えるきっかけにしてほしいです」と願う。
性同一性障害のある人や同性愛者ら性的少数者を指すLGBT。昨年は「今年の新語」に選ばれ、東京都渋谷区が同性カップルに結婚に相当する関係を認める証明書の発行を始めた。関心の高まりを受け、5月17日の「多様な性にYESの日」に合わせて企画した。
蔵書1万冊から、当事者の自伝やエッセイ、伝記に加え、LGBTをテーマにした絵本やコミック約40冊を並べた。コーナーにパンフレットを置く県内の当事者グループ、チーム紀伊水道の衛澤創代表は「私たちが推薦する本も並んでいて、性的少数者の歴史についても知ることができますよ」と語る。
貸し出し無料。同センター(073・435・5245)。
写真下=LGBT関連図書を並べ、理解を呼びかける
(ニュース和歌山2016年5月25日号掲載)