先日、県庁隣のコンビニエンスストアで、横浜ナンバーの大型バイクを停めた人が広域地図を眺めて悩んでいた。声をかけると、気ままな旅を楽しむ60代の男性で、先ほど徳島からフェリーで着いたらしい▼観光情報がないと言うので、冊子をもらうため県庁へ。窓口で尋ねるとマップ類は東別館の観光振興課前にあるという。行くと、市町村別の冊子にラーメンマップ、真田幸村ガイドなどずらり。ここにあっても観光客は直接手にしないだろうと、もったいなく思った▼男性は、和歌山といえば高野山か白浜しかないと和歌山市内はスルーするつもりだったそう。マップを見て「そういえばラーメンが有名ですね」「お城もあるんですね」と喜んでいた▼最近は目に見えてアジア圏の観光客が増えたものの、正直に言うと言葉が分からないので、困っていそうでも気付かぬふりをしていた。ハード面より、そういった一人ひとりのハートこそが、結果的に旅の印象につながるのかも…と思い返し、やや反省。(宮端)
(2016年7月16日号掲載)