怖さ3 町の妖怪 出没地域:和歌山市
現在の和歌山市和佐地区周辺にその昔棲(す)んでいた大力女は、里の女をよく攫(さら)った。時には風呂へ入っている男を風呂釜ごと攫うこともあったという。攫われた人々がその後どうなったかは記述が残ってないが、たいそう大柄で怪力の持ち主だったに違いない。これと別に「根肥(ねぶとり・根太り)」という女性の妖怪がいる。夜、寝床につくと部屋に入りきらなくなるほどの巨体となり、大きないびきをかいて寝る。こちらは寝てばかりいて、いびきがうるさかったり、寝相が悪いと家人に愛想をつかされるとの戒めでもあるが、昔は常人を超えるほどの個性は妖怪視されたのであろう。
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妖怪をこよなく愛する和歌山市の漫画家、マエオカテツヤさんが毎週土曜日、妖(あや)しの世界に誘(いざな)います。
(ニュース和歌山2016年7月23日号掲載)