提案者:池田 信義(市民落語グループ「わかやま楽落会」事務局長)
介護保険制度が発足して15年以上たちますが、利用者の増加と、福祉予算の逼迫(ひっぱく)から、民間による福祉活動の強化が求められています。和歌山市でも、介護保険制度を補うものとして、民間の居場所づくり活動(コミュニティサロン)が進んでいます。しかし、サロンができても、外出が困難な人も多数いるので、それを補う活動が求められています。
以前は、映画『伊豆の踊子』にあるような、演芸を楽しませてくれる人々が各地を訪問する時代がありました。しかし、テレビ、DVD、インターネットの発展により、こういった生の笑いを運ぶ活動は急激に減少しています。私たちわかやま楽落会は「訪問寄席」と銘打ち、高齢者らの自宅に出向き、落語、漫談、マジックなどの寄席芸を楽しんでもらっています(写真)。
このような活動を待ち望んでいる人が多くいますが、まだまだ笑いを届ける「スマイルボランティア」や、養成講座を受けた「お笑い福祉士」の数も十分でない。そこで、子どものうちから、笑顔を届けるボランティアを経験する機会を学校単位で持つのはどうでしょうか?
子どものうちに福祉活動を経験することは、教育の一環としても重要になると思います。例えば、夏休みを利用して、落語を覚えたり、特技を生かしたりして、喜ばれることを考え、実践する。これなら体力や専門知識がなくてもできます。
普段は成績や順位にとらわれることが多いでしょうが、ボランティア活動は「喜んでもらうこと」が一番の目的です。核家族化が進み、おじいちゃん、おばあちゃんが身近にいない子でも、お年寄りとふれあえる機会を持てるし、ボランティア活動に将来取り組むきっかけにもなるのではないでしょうか。
(ニュース和歌山2016年8月13日号掲載)
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法案への読者の声
7月30日号掲載 地域で定期的に食事会を
◎大変よい試み。昨今は住民のつながりが薄くなってきた。一昔前のように地域ぐるみで子どもを見守ることによって、子どもと大人の絆が深まればよい。場所や住民の同意が必要で時間がかかると思うが、実現を願っている。その際は一番乗りで参加したい。(無職・匿名 80歳)
◎コンビニエンスストアで買ったパンやお弁当を一人でさっと食べて出かければ楽だ。でも楽しくはない。だから地域の人たちと食べる日があるとうれしい。食事の時間はもちろん、食事以外の時に顔を合わせた時も、これまで以上に会話ができるようになると思う。小さな食卓の明かりがやがて街全体を明るくできれば、こんなにすてきなことはない。(会社員・匿名 37歳)
◎私たち夫婦は転勤族だが、子ども食堂を通じて地域に溶け込めた。また、子どもから高齢者まで、幅広い世代と交流できる機会は大変貴重に思う。(会社員・匿名 27歳) ◎他のことで「強制の法案」だったら、「とんでもない!」と言うでしょう。でも何とユーモアのある強制でしょう。「強制なのだから、恥ずかしいも何もありません」、この言葉もいいわぁー。強制なのに、自然にできそう。和歌山もこれで有名に!(主婦・田島礼子 68歳)
◎子ども食堂を初めて知ったとき、何てすてきな取り組みだろうと思った。しかし、地域で定期的にご飯を食べるということであれば、私は行きたいとは思わない。ご近所さんでも相性が合う人ばかりではないので、その日が苦痛になるようでは本末転倒。行きたいと思う人が自らの意思で行けばよい。(主婦・匿名 30歳)
(ニュース和歌山2016年8月13日号掲載)